矯正治療と8020運動
8020運動とは?
8020(ハチマルニイマル)運動とは、厚生労働省や日本歯科医師会により推進されている運動です。
生涯にわたって自分の歯でものを噛んでいけるように、「満80歳で20本以上の自分の歯を残す」ことを目標としています。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することが出来るといわれています。
歯列矯正は8020運動を実現していくうえで、重要な役割を果たします。歯列矯正をすることによって、ただキレイな歯並びを整えるだけではなく、良い噛み合わせを保つことが可能となるからです。上下の歯が正常に噛み合うと、しっかり噛め、正しく食事を摂取することができるようになります。
また、しっかりと物を噛むことで唾液をたくさん分泌します。
唾液には虫歯菌を抑える作用がありますので、虫歯リスクを抑え歯を残すことにもつながります。唾液には虫歯菌を抑える作用がありますが、虫歯菌の栄養となる歯垢などを落とすためには、食事の後はしっかりと歯を磨く必要があります。
昭和32年より6年ごとに厚生労働省により実態調査の結果が報告されていますが、8020運動が開始された当初、「8020」を達成している高齢者(後期高齢者:75歳以上)は10人に1人にも満たない状況でした。
平成23年の第10回調査では、達成率は、37%まで増加したものの、まだ高齢者の半数に満たない状況です。
「8020」達成のために必要なことは?
「8020」を達成するためには、80歳という設定にこだわらず、歯を大切にする意識を生涯持ち続けることがポイントです。 虫歯や歯周病といった歯が抜けてしまうリスクを日常的に予防することが「8020」達成につながります。 なぜ歯が抜けてしまうのか?を考えながら予防をすることで、いつまでも自分の歯で噛めるようにする可能性を高くすることができます。以下は、歯が抜けないようにするための代表的な予防方法です。
-
1.虫歯予防
-
虫歯は、歯が抜けてしまうリスクの一つです。
虫歯予防に最も効果的な方法は、フッ化物を用いる方法で、現在、国内では、フッ化物洗口・フッ化物歯面塗布・フッ化物配合歯磨剤などを使った方法があります。
-
2.歯周病予防対策
-
歯周病は、歯が抜けてしまうリスクの一つです。
歯周病予防には、口腔清掃が有効です。口腔清掃は自分自身で行うセルフケアと専門家によるプロフェッショナルケアの二通りに大別されます。
-
3.歯列矯正治療
-
歯並びが悪いことは、歯が抜けてしまうリスクの一つとなります。歯並びが悪いと、ブラッシングなど歯のメンテナンスが行き届かなくなる場合があります。虫歯や歯周病リスクを高めることにもつながり、最悪の場合には歯を喪失してしまうことがあります。 また、上の歯と下の歯がうまく噛み合わないと、歯にかかる負担のバランスが悪くなり、必要以上に力がかかっている歯の寿命を縮め、歯を喪失してしまう恐れがあります。 歯並びが気になる方は、歯列矯正治療について、歯科医院で相談を受けると良いでしょう。