大人の歯列矯正
大人になっても歯列矯正はできるの?
「歯列矯正」というのは、子供だけのものと思っていませんか? 図1の平成20年度の厚生労働省の調査 (※1)によると、確かに矯正治療の70%は、19歳以下の患者が占めています。一方で、20代~70代まで幅広い年齢の治療患者がいることもわかります。それでは、大人の矯正にはいったいどんな特徴があるのでしょう?
大人の歯列矯正の目的
大人の歯列矯正の大きな目的のひとつとして、審美的な面での改善があげられます。
審美的な面での改善
2013年に成人になってから矯正治療を行った患者300名に対して行われた調査(※2)によると、子供のころから歯並びを気にしていたと回答した患者は全体の58%、174名にも及びます。例えば、出っ歯、受け口、八重歯など、小さい頃からのコンプレックスが歯列矯正治療への決断をさせたようです。
また、一方で歯並びを気にしながらも、子供のころに治療したいと思わなかった理由の第1位として、治療装置の見た目(61.8%)があげられています。現在では、矯正治療の種類も増え、様々な装置の中から自分に合った装置が選べるようになったため、歯列矯正に対する選択肢も広がってきたと言えるかもしれません。自分の意志で、美しい口元、笑顔を求めて歯列矯正治療に望む大人の歯列矯正治療は、結果の満足度も高いようで、「笑顔に自信が持てるようになった」61.7%(185名)、「コンプレックスが解消された」57.3%(172名)といった調査結果から、矯正治療が及ぼす精神面への効果も多いことがうかがえます。
噛み合わせの改善
しかし、大人の歯列矯正治療のメリットは、外見の変化だけとは限りません。 実際には、健康面に及ぼすメリットも挙げることができます。良いかみ合わせを「正常咬合 (せいじょうこうごう)」、悪いかみ合わせを「不正咬合 (ふせいこうごう)」と言いますが、不正咬合を改善しないと頭痛、肩こり、腰痛、膝痛など全身の様々なところに影響があると言われています(※3)。また歯並びが良くなると、今までは歯ブラシが届かなかったところまで、歯磨きがしやすくなり、むし歯や歯周病の予防が比較的容易になる場合もあります。さらに、食べ物をよく噛んで食べるようになるので、消化や吸収を助ける可能性があります。
※1 参考文献: 厚生労働省 平成20年患者調査
※2 インビザライン・ジャパン株式会社実施 2013年 4月18日「よい歯の日」矯正歯科治療 患者意識調査
※3 Align Technology, Inc. 2010 “Straight Talk about Crooked Teeth”